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明大前の賃貸併用二世帯住宅

賃貸併用二世帯住宅・半地下RC・SE構法・地下1階地上2階建て

道路と段差のある変形敷地に建っていた賃貸併用住宅の建て替えです。この敷地に建てられる最大限の容積を使って、二世帯住宅とワンルームの賃貸住宅を無駄なく計画することが求められました。
計画では、土地の段差を利用して道路側に開いた半地下の賃貸住戸を作り、その上に2層の木造をのせ、地下1階地上2階建ての建物として計画。道路や北側からの高さ制限をクリアさせ、住宅地下の容積緩和、準耐火建築の建ぺい率緩和、天空率を使って最大限の床面積を確保しました。賃貸住宅と二世帯のオーナー住宅は別々のアプローチ(避難経路)を設け、賃貸住宅側は5住戸のワンルーム(共同住宅)として計画。1階に親世帯、2階に子世帯としたオーナー住宅は、それぞれ外部空間との繋がりをもたせて南東側の広がりと眺望を取り込んだ、完全分離型の二世帯住宅(長屋形式)になっています。

DATA

所在地  東京都杉並区
家族構成 親世帯:ご両親 / 子世帯:ご夫婦+子供さん
賃貸:ワンルーム5住戸(17.01〜24.09m2)
竣工   2020年6月
構造規模 地下鉄筋コンクリート+地上木造2階建(耐震構法SE構法)
敷地面積 182.72m2(54.66坪)
建築面積 108.41m2(32.79坪)
延床面積 242.65m2(73.40坪)
設計監理 設計事務所アーキプレイス
構造設計 NCN(エヌ・シー・エヌ)
施工   ジェイホームズ株式会社
植栽   TOKUZOU
備考   現場発泡ウレタン吹付・充填断熱通気工法
温水式床暖房(TES)
写真   大沢誠一(OS)+Archiplace(AP)

設計・工事経過ブログ

道路側の外観(OS)

左側が賃貸住宅(共同住宅)のアプローチで、右側の二世帯住宅(長屋建て)と分けている(OS)

賃貸住宅や住宅のバルコニーの手すりを兼ねた目隠しパネルは、開口率40%のスチール溶融亜鉛メッキの有孔折板(OS)

外壁仕上げは鉄筋コンクリートの地下部分はコンクリート打放し仕上げで、地上の木造部分は左官コテ塗り仕上げOS)

二世帯住宅側は、外構階段を上がった1階レベルに親世帯の玄関、さらに鉄骨階段を上がった2階レベルに子世帯の玄関(OS)

[左]二世帯住宅側の外構階段はタイル貼り仕上げ(AP)
[右]階段横に生まれる三角地帯を植栽スペースとして利用している(AP)


[左]親世帯玄関 左は下足入れなどの壁面収納  腰掛けベンチは折りたたみ式(AP)
[右]玄関からLDKまで見通す  通路の左側はクローゼットで右側は水廻り(OS)

親世帯のLDKの横には、来客の宿泊に使える畳敷きのゲストルーム(AP)


親世帯のLDK キッチンは対面式で掃出し窓の外には段差なく出入りできる木製デッキのテラスが広がる(AP)

親世帯キッチン  キッチン側からもテラスに出入りできる(AP)

キッチンからゲストルーム側を見る  引込み戸で閉じることができ、正面の壁は色は落ち着いた色に(OS)

ゲストルームからキッチン側を見る  腰壁で手元は見えなくなっている(OS)

[左]リビング入り口から玄関側を見る  奥に見えるのは寝室で、窓を開けると自然と風が流れる(OS)
[右]通路に設けた飾り棚には、旧宅にあった思い出の床柱を再利用(AP)


寝室 窓側には携帯を充電したり、コップが置ける棚を設けている(OS)

[左]玄関から外のテラスまで見通す(AP)
[右]LDKの外には、板塀でプライバシーが守られた木製デッキのテラスが広がる(OS)

[左]子世帯の玄関  玄関扉はスチール製で、横のフロスト調のFIXガラスから柔らかい光が入る(OS)
[右]上足床はチークの複合フローリング  正面の家具の前を右に行くとLDKへ(OS)


子世帯LDK  L字状の平面で、板張りの傾斜天井を間接照明が照らす(OS)


作業スペースの床を下げたアイランドキッチン(OS)


壁側には、ガスコンロ、家電置き場、収納、ワークデスクが並ぶ(OS)


奥のダークブラウンの建具の向こうが玄関(OS)


キッチンのシンク前に立つと、正面にデッキテラスBが見える

リビング  左壁面前にソファを置き、奥に小上がりの畳スペースがある(OS)


小上がりの畳スペースの下は収納とAV機器置き場になっている(OS)


小上がりの畳スペースからダイニングキッチン側を見る  壁の中から引き戸を出して閉じることもできる(OS)

壁面は造り付けの本棚になっていて、左上には仏壇を置く予定(OS)

[左]小上がりの畳スペースの傾斜天井を間接照明が照らす(AP)
[右]天井板はウエスタンレッドシダーの無垢材(AP)

左上の高窓は電動式で開けることができる  右上には温まった空気を自動で排出する換気扇を設置している(OS)

畳スペースからダイニングキッチン側を見る  デッキテラスA側のサッシの下枠をベンチ状の腰掛けにしている(OS)


アイランドキッチンのカウンターはセラミックで幅は850 通路側はグラスなどを入れる奥行きの浅い収納になっている(OS)

コンロ側の壁面は建て主お気に入りのタイル貼りで、右はマグネットつくキッチンパネル(OS)

ナラ材を使ったオリジナルのダイニングテーブルを、建て主お気に入りのペンダントライトが照らす(OS)


正面デッキテラスAの板張りの手すり壁が、近隣からの視線を防いでいる(OS)

L字型の平面と二つのデッキテラスの関係を見る


LDK夕景

右が子供室で、左奥に寝室が見える(AP)

子供室は天井が高く、将来、ロフトを作ったり2部屋に仕切ることができるように入り口を二箇所設けている(OS)

[左]子供室は引き戸を開けて、通路と一体的に広く使うことができる(OS)
[右]子供室の窓には南の光が入る(OS)


主寝室の外にはバルコニーがあり、ハシゴでロフトに上がることもできる(OS)

ロフトから寝室を見下ろす  外のバルコニーは洗面室までつながっている(AP)

[左]洗面室  左が浴室 右奥に洗濯機と乾燥機を置く  正面ガラス戸を開けると物干しバルコニーで、取込んだ洗濯物を畳む折りたたみ式アイロン台を壁に設置している(OS)
[右]お気に入りのクロスで仕上げた客用トイレ(OS)

左側の外構階段が賃貸へのアプローチ(OS)


道路側にある賃貸の床は、道路面より約350下がっていて植栽は目隠しも兼ねている(OS)

道路側の植栽廻りの詳細(AP)

有孔折板の目隠しは空の色を写し、見る角度によっても表情を変える(AP)


オートロックの門扉が外構階段を上がった奥にある(OS)

[左]賃貸の門扉を入り、階段を上がると1階住戸へ、階段を下りると地階住戸へ(AP)
[右]賃貸のドライエリアには屋根がかかる(OS)

地階の賃貸住戸  玄関を入ると地階であることを感じさせない明るさと広がりがある(OS)

地階の賃貸住戸  一部の壁を鉄筋コンクリート打放しの仕上げにしている(OS)


地階の賃貸住戸  玄関側を見る。玄関ドアの外はドライエリア(OS)


1階の賃貸住戸  フローリングを地下より濃い色とし、壁の一面にアクセントクロスを使っている(OS)

[左]賃貸のミニキッチン廻り(OS)
[右]賃貸の洗面トイレから乾燥機付きのシャワーブースを見る(OS)

外観夕景(OS)


外観夕景  バルコニーの人感照明を全て付けたところ(OS)

外観夕景  賃貸のバルコニーには空調屋外機、ガス給湯器、物干し金物が設置されている(OS)


外観夕景  金属質の目隠しパネルと植栽の柔らかな表情の対比を見る(OS)

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ダイニングテーブルの横には家事・学習スペースがあり、調べものをしたり、本を読んだり、子供が宿題をしたり。デッキテラスAの出入り口窓部分は、ちょっと腰掛けられるベンチ状になっていて、ご主人が新聞を読んだり、タブレットでネットサーフィンをしたり、子供と会話したり。食卓と台所を中心とした空間に家族が自然と集まり、それぞれが思い思いの時間を同じ空間を共有しながら過ごします。


アイランドキッチンでは、小学生のお嬢さんとも一緒に料理を楽しみます。大勢が集まった時にも、みんなでワイワイ会話しながら調理。キッチンの床を一段下げて、キッチンカウンターと同じ高さで並べたダイニングテーブルは、配膳や片付けがスムーズにでき、テーブルに座る家族との目線も近く、会話も弾みます。

 

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